らのべえとsketchの違い
らのべえとsketchの違いについて
らのべえとsketchは、そもそもの設計思想がまったく異なりますので、ゲームの実行ファイルの性能が概ね同じでも単純に比較は出来ませんし、 相互運用もできません。
sketch for らのべえのリリースが予定されていますが、これはlanoboot.exeで実行できるRLDが出力できるsketchではありません。 第一それは倫理的に許されません。あくまでもらのべえの拡張では難しい部分(メッセージエリアの拡張とか、MBTの作成とか)をフォローするためのものです。
ゲーム作りにはいくつものハードルがありますが、実は最も高いハードルが一番最初にあります。 ADVについてよく「絵を出して音を出して文字を出すだけでしょ? 簡単じゃない」(※1) という発言を耳にしますが、たったそれだけのことをするために、 あまりにも覚えることや用意しなければならないことが多く、そこだけで挫折する人が後を絶ちません。
※1:開発者はみんな知っていますが、そんなわけありません。
らのべえは、「ADVを作ってみたいなと思っているほぼ全ての人が、そのゲームを動作(≠完成)させるところまで到達できるようにする」 ことを目的に設計されています。そのため(らのべえの)開発が面倒でもなるべくGUIでWYSIWYGでキーボードレスに作られています。
他にもその場ですぐ、コンパイルなどの予備動作なしで確認実行できたり、lanobootから、現在実行しているノードへワンアクションでジャンプできたりします。
リソースを少しづつ作成して、それを積み上げていき、1シーンづつ手ずから演出していく―― らのべえで作るADVは、趣味の範疇だと考えて「作ること自体が楽しい」をできるだけ感じていただけるように設計されています。
それに対して sketch「ADVを作成しているプロ向けに、開発速度を上げたり、開発コストを下げたり、高い性能要求に応えたりする。また、新バージョンの後方互換性を保証する」 ことを目的に設計されています。 そのため、DEFUI(造語。CUIとGUIの間だから。変更が容易という意味もある)と呼ばれるUIが採用されていて、日々変化していくプロの要求に迅速に応えられるようになっています。
余談ですが吉里吉里3の演出エディタのイメージ図がsketchのレイアウトに大変よく似ています。考えることは皆同じだな‥‥
また、photoshop/AfterEffects/optpix 等を始めとした、いくつもの専用/汎用外部ツールが存在しているという前提になっている部分が多々あります。 例えばアニメーション編集機能を追加するくらいなら、AfterEffectsの出力を利用するといった感じです。その方が絶対高機能で利用者の練度も高いからです。 特殊な機能が必要なら、そういった外部ツールのプラグインにした方がつぶしも利きます。
らのべえとは違って、ゲーム制作は趣味などではなく仕事ですから、一度に大量の何かを行うバッチ系処理や、 音声の台本を{出来ているところまで|以前出力したところから}出力する機能などの、リソースが一度に来てもバラバラに来ても対応できるような仕組みなどが導入されています。
誤解を恐れずに要約すると、性能や拡張性と簡便性や利便性が競合したとき、らのべえではたいてい簡便性や利便性が優先され、sketchではたいてい性能や拡張性が優先されています。 もっとも現時点でそれらが大きく異なるのは、キャラの取り扱いと選択アイテムの取り扱いくらいです。
それ以前に sketch/ExHIBITの FREE EDITION は、最近全然更新されていなくて、STANDARD EDITIONに比べるともの凄く機能に格差が出来ています‥‥ 1.8x ベースのFREE EDITIONを準備はしているのですが、ドキュメント書いたりする時間があんまりなくて、アップできないんだ‥‥ゴメンヨ orz...コンナサイトツクッテルカラヨケイオクレル